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スターリングシルバーの刃
Fate/side story
フェイト/サイドストーリー/螺湮(ライン)

スターリングシルバーの刃


 アインツベルン城の三階工房でセラに義体の整備と顔面の修復を依頼しようとしたところアイリさんがゴソゴソと持参の荷物を漁り始めた。
「シロウくん! セラをフワフワワウワウたぶらかす前に注目!」とアイリさんが言った。
 アイリさんの手に現代的なヘルメットがあった。
 米軍制式採用の抗弾樹脂製でライフル弾の直撃でも貫通しない代物だ。
「元々の世界だと切嗣と私で小規模な民間軍事会社を経営しているのだけど」
 そう言ってアイリさんがヘルメットを宙に投げた。
 次の瞬間、ズカッと音を立ててアイリさんが投げた銀のペーパーナイフがヘルメットに突き立った。
 抗弾樹脂の装甲を貫き穿ち、強化魔術で魔力が籠められたスターリングシルバーの刃が柄元まで埋まっている。
 歩兵の頭など木っ端微塵に粉砕する大口径の徹甲弾と同等の威力だ。
「私も現場に出る機会が多いから手裏剣術の一つくらい心得てるって覚えてね?」
 そう言ってアイリさんがニッカリと笑った。
 修羅の笑みであった。
 吹っ飛んで壁に激突した後ゴロゴロと床を転がるヘルメットが何だか俺の生首に思えた。
「奥様、御安心くださいませ。エミヤシロウにそんな度胸など御座いません」とセラが言った。
 もしも浮気すれば桜が憤怒して黒桜に変身するし、それ以上の恐怖など思い付かないな。
 何とかアイリさんも納得してくれたらしく、やっとセラが全身義体の分解整備を始めてくれた。
 俺の未熟な投影魔術で具現化した部品だと工作精度が低くて合いが悪い。
 アーチャーならベアリング一つとして歪みも狂いも無い精確な部品を投影してガタ無しブレ無しの精密機械を具現化するのだが、釣りの自動制御式リールなどを作って遊ぶばかりだ。
 俺も未だ修行が足りず余裕も足りないな。
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スターリングシルバーの刃 | 魔術師

| 不老長生の腹式四拍呼吸法 |

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