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ボックス呼吸法
Fate/side story
フェイトsidestory螺湮(ライン)
ボックス呼吸法



「要するに気(魔力)を感覚化する方法と、魔力(エーテル)を操作する技術が、魔術と呼ばれる」
「そんなの知ってるよ、衛宮の話つまんねー」と蒔寺が言った。
 氷室が【魔法カバラー入門】を指先でトントンと叩きながら発言する。
「蒔だけでなく私と由紀香も読破済みだから、話を続けてくれ」
「あの、蒔ちゃんが気功法を魔法に応用、出来ないかなって」と三枝が言った。
 遠坂の講義によると科学技術で再現可能な現象が魔術で、到達不可能なら魔法だそうだが、この場合、専門用語の解説を始めても仕方ないだろう。
 しかし気功法を魔術に応用か……
 仲良し3人組が実践したという気功法だが、中国大陸の仙道思想魔術が源流である。
 西洋の儀式魔術と、東洋の仙道魔術などのように、修行体系の文化的背景が異なるものをゴチャゴチャにすると、その人の気(魔力)や意識状態がメチャクチャになる。
 真アサシンと世間話して知ったことだが、神に対する信仰だけを絶対とするスーフィーなど中東圏の魔術基盤とも相容れないようだ。
 俺が助言しないで放置すると何らかの怪異が発生するだろうな。
「とりあえず【魔法カバラー入門】に記述された通りにボックス呼吸法をやってみてくれ。それを見てから細かいコツを教えるから」
 3人が図書室の椅子に改めて座りなおして姿勢を正した。
 それから【魔法カバラー入門】に記述された通りのボックス呼吸法を実践させる。
 ジョギング気功法を一年以上継続したという言葉に偽り無く、気(魔力)が少しであるものの確実に動いている。
 しかし【超能力仙道入門】に記述された方法で、下腹部の丹田に意識を集中しているようだが奥に子宮があるので熱を持つとよくない。
「意識を軽く丹田にかけ続けるんだが、奥じゃなくて皮膚の部分だ」
 俺の注意で氷室と三枝が素直に気(魔力)の練り上げを変えたのだが、蒔寺が上手くない。
 このままだと気(魔力)の熱でやられてしまう。
 この場合、腹部じゃなくて胸部に意識を集中させるべきだろうか。
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